YAMDAS対談 第5回

欠けた歯の向こうに永遠が見える?


 yomoyomo(技術者の端くれ、以下)と海坊主(医者の卵、以下)の与太話。1999年4月3日電話にて。


:はぁー、ブルーだよぉ。

:ん? どしたの?

:あのさあ、春休み一週間バレーボール部の合宿行っててさあ、今日帰って来たんだけどよう・・・二日目にさあ、他の人間と激突しちゃってさあ、歯欠けちまったんだよねえ・・・

:あちゃー、それはつらいねえ。めっちゃハードじゃん。

:鏡で自分の笑った顔を見るとさ、何かさ元々イケてない顔が散々イケてない顔になっててさあ。

:それについてはコメントは控えさせて頂きましょう(笑)

:しかも俺、欠けてたの一本だと思ってたらさ、二本だったんだよ。今日歯医者さんに行って、「こっちも欠けてますね」って。へー? みたいな。

:歯って増えないからな。

:だよ。

:爪は俺剥いだことあるけど、あれ戻るしね。胃だって半分切除したって元に戻るのにね。歯だけはそういかない。

:だよ。

:歯を削ったって戻ってくりゃどんなにいいことか。

:だよねえ。それができるんなら・・・ノーベル賞もんだね。

:ノーベル賞・・・ってそりゃ別の問題だろ。君はホントに医学生なのかよ!

:でも、歯って不思議に勉強しないんだよ。

:それって(歯科医との)棲み分けができてしまうってこと?

:うん、だって全く勉強しないんだよ、どの科に行っても。医者は歯のことについちゃ分かってないよ。

:あ、そうなんだ。でもさ、健康はさ、野球選手なんかじゃなくても、かみしめる力って結構重要じゃない。

:ああ多分その辺がねえ、身をもって分かってる医者というのは多分相当のベテランだよ。

:人間の身体には幾つかキーポイントとなるものがあって、その中に歯も入ってると思うんだけど。

:多分局所的には分かるんだろうけど、他のところに与える影響ってのは・・・難しいね。

:ところで君腰は大丈夫[註1]かね。

:一応大丈夫だけど、激突したときに当然腰もやってね。違和感はある。一番ヒドイ状況じゃないけどね。

:あー、君のヒドイ状況ってのはコルセットを付けてるという・・・

:いや、コルセットはいつでも付けてるのよ、バレーボールやるときには。日常生活では付けてないけど。

:以前はずっと付けてたよね? 日常生活ではいつ頃外れたの?

:そうね、コルセットしてても痛みが全然変わんないのよ。付けてる意味がなくてさ、締め付けられてただお腹が苦しいだけ、という感じがしたから。

:それで外したんだ。でもバレーやるときは付けてる?

:うん、限度を越えないためで、ギックリ腰状態にはならないからね。

:ある一点以上は抑える、という。

:そうそう、これ以上いったらヤバイ、というような。サポーターもそうだけど、筋肉に緊張を与えるから楽ではある。

:でも・・・そこまでしてバレーボールをやるものなのかね。

:やっぱ好きなんだろねえ。

:好きと言ってもさ、ヤバイよ、お前のレベルは

:まあ、そういうのも含めて考えざるをえんな、と思ったね今回のことで。今チームとしてはとてもいい状況でさ。俺がチームに戻ったとき[註2]にさ、今度腰を悪くしたらその時は止めるしかないな、と思ったな。大会毎に様子を見る、という。

:なんだかなあ・・・痛み止め打ちながらマウンドに立つ投手みたいだよ。

:でもね、実際薬局で薬買って飲んだりしたね。ボルタレン系の薬を。

:ボルタ・・・ん? それ食えんのか?

:ボルタレン! 歯医者さんとかで痛み止めの薬として処方されるやつ。

:うーん、そこまでしてスポーツをやるものなのかあ。


[註1] 以前にも書いたが、海坊主は腰に程度の軽くない持病を持っている。

[註2] 海坊主は一度留年したとき、「謹慎」と称してバレーボール部の活動を一年停止している。留年して時間も余るだろうに、と yomoyomo は不思議に思ったものだが、海坊主には彼なりの考えがあったのだろう、と思う。


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初出公開: 1999年04月07日、 最終更新日: 1999年08月29日
Copyright © 1999 yomoyomo (E-mail: ymgrtq at yamdas dot org)
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